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羽生地方の方言には、次のような独特の法則がある。
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単語 | 分類(テキトー) | 意味 | 用例等 |
あたい | 二人称 | あなた | 小さな女の子などの二人称。あたい、いくつ? |
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あんびん | 名詞 | *** | 塩で練ったあんの入ったまんじゅう |
いがまんじゅう | 名詞 | *** | 表面に赤飯がまぶされた羽生独特のまんじゅう |
いこむ | 動詞 | 浸かる 潜る | 風呂にいこむ。 いこんだまま出ててこねぇ。 |
いしゃ | 二人称 | あなた、君 | いしゃ、しっかりしろ!(あなた、しっかりしなさい) |
いびる | 動詞 | 炒める | (食材などを)炒め、調理する。 「今日のおかずは、野菜をいびったのね(今日のおかずは、野菜をいためたの)」 |
いぶい | 形容詞 | 煙たい | たき火などの煙でで煙たいこと。 そんなに燃しちゃちゃぁいぶくって。 (そんなに燃したら煙たいよ。) |
いぶる | 動詞・形容動詞 | 煙たいことを言う (煙たがられるようなことを)する | 相手に対して(わざと)いやがることをする(言う)こと あのやろう気にいんないんでいぶってやった。 彼は気に入らないから(煙たがられるように)いってやった。) |
いら(えら) | 形容詞 | たいそう ものすごく | いらいいでぇ。(たいそう良いものですね) |
うなる | 動詞 | 怒る 怒鳴る | うなりとっばしてやった。 (怒鳴ってやった) |
うなる | 形容動詞 | (たわわに)実る | ほうれん草がうなってからかっぱいできた。 (ほうれん草がたわわに実っていたので収穫してきた。) |
うっかく | 動詞 | 折る・割る | ぶっくらされて歯をうっかいちゃった。 (殴られて歯を折ってしまった。)」 |
うっきる (ぶっきる) | 動詞 | 切る・切り離す | 糸がこんがらがっちゃって、ほでけねぇいよ。そんなのうっきっちゃえば。 |
うっちゃる | 動詞 | 放置する | ほれ、うっちゃっちゃっとくとなくしちゃうよ。 (ほったらかしにしておくとなくしちゃうよ。)」 |
うっつぁばく | 動詞 | 破る | んなもん、とっくにうっつぁばいちゃったべ。 (そんなものはとっくに破りすてました。)」 |
おっぺす | 動詞 | 押すの意 | キーボードのここをおっぺすん? (キーボードのここを押したらいいの?)」 |
おなべ | 名詞 | 残業 | 「夜なべ」が転じてか? 「今日おなべかい?(今日残業するの?)」 |
かいどう | 名詞 | *** | 道路から屋敷までの私道。羽生(ざいの方)では、両側が田畑で50m位ある農家などが点在する。 |
かっきる | 動詞 | (刃物等でいっきに)切る・掻き切る | 邪魔な柿の枝、かっ切っちゃっせ。 (邪魔な柿の枝は切り落としなさい。) |
かったりい | 動詞 | 疲れる 疲れた | だめだよう。えら、かったりぃよう。 (だめだ、ものすごく疲れた) |
かっぱぐ | 動詞 | 1(かさぶたなどを)はがす 2(鎌などで)薙ぐ。刈る。(スコップ等で)積雪を除去する。 3囲い込むように集める。腕を使ってそのような行為を行う。 | 1 かゆいからって、かっぱぐんじゃねいよ。 (かゆいからって、(かさぶたを)はがしてはいけませんよ。) 2 なっぱをかっぱいでくっから。積もった雪、かっぱいできた。 3 跳び箱を飛ぶときは、もっと腕をかっぱぎな。 |
かんます | 動詞 | 1 掻き回す・掻き混ぜる 2 妨害する | 1 風呂入るときは、よくかんまして入りな。 (お風呂に入るときは良く掻き回して入りなさい。) 2 まとまりげだったのに、○○にかんまされちった。 (まとまりそうだったのに○○さんに妨害されてしまった。) |
ぎご | 形容詞 | 強情(者) | やつぁぎごだかんな。 (彼は強情だから。) |
きゃぁこら きゃぁこら | 形容動詞 | 騒いでいるさま | 娘っこみたいにきゃぁこらきゃぁこらしてんじゃねぇぃ。 (若い娘さんみたいにキャーキャー騒いではいけません。) |
ぎら | 形容動詞 | あからさま ストレート | えら、ぎらに言うんじゃねいよ。 (あまりストレートに言うものではありませんよ。) |
くっちゃべる | 動詞 | (複数で)話す・喋る | そんなとこで、くっちゃべってんじゃねぇ。 (そんなところでお喋りをしていてはいけません。) |
〜げ | ?? | 〜気、〜っぽい | 語尾に「げ」を付け、自分の思う所を相手に強く伝える。 「よさげ」(良さそう)、「うまげ」(旨そう)、「馬鹿げ」(ばかみたい) |
こすられる | 動詞 | (言葉などで)軽く攻撃される、牽制される | まったく、奴にこすられちったかんなぁ。 (まったく、彼には(軽く言葉で)牽制されちゃったからな) |
ざい | 名詞 | 田舎? | 人口密度の低い羽生でもさらに低い地域。 ここはざいだかんねぇ。町いがなくちゃねぇい。 |
さくい | 形容詞 | 気さく ありてい | あの人はさくいねぃ。(あの人は気さくだ) さくいとこがさ・・(ありていに言うと・・) |
さた | 名詞 | 連絡・通知 | あれっ、さたがねぇなぁ。 (あれっ、連絡がこないな) |
しょっぺい | 形容詞 | みすぼらしい くたびれた | なんだ、この上着ばかにしょっぺいなぁ。 (この上着はたいへんみすぼらしいなあ。) |
ずるっこ | 名詞 | ずるい(やつ) | まーったく、あいつずるっこだよな。 |
そうなん | ?? | *** | 相づちを打つときの常套句。「そうですか」と いった意味。発音時は語尾が上がる。 |
だいじゅ | 形容動詞 | 大丈夫 | だいじゅかい。(大丈夫ですか?) |
だぼち | ?? | *** | 子供の頃、所有権を主張する際用いたが 現在使用されてるか不明。 |
〜(ん)ち | 助詞 | 家 | やつがち(やつんち)。おらがち(おれんち) ○○がち遊びいぐ? (○○君の家、遊びにいく?) |
つぐむ | 動詞 | しゃがむ | そんなとこでつぐむんじゃねえよ(そんなところにしゃがみこんではいけません) |
つけぎ | 名詞 | ものをもらったおかえし | 「つけぎ」とはいわゆる「マッチ(木片に燐を付けた)」のこと。ちょっとしたお返し、粗品として昔用いられたところから。 えらわーりんねぇぃ、つけぎでこれもってって。(すいません。つまらない物ですがこれお持ちになってください) |
つっぺる | 動詞 | 1
転倒する・滑る 2 (滑った結果として)側溝や粘度の高い液体(泥、ヘドロ、肥溜め)の中に突っ込む・落っこちる・はまる | 1 そこでつっぺっちゃって、えら痛いん。 (そこで転倒して大層痛い) 2 酔っ払って自転車でドブにつっぺちゃった。 (酔っ払い自転車で側溝に突っ込んでしまった。) |
つんもす | 動詞 | 燃やす | このゴミつん燃しといて。 (このゴミ燃やしておいて。) |
てい | 名詞 | 連中 | 羽生のていは、えら若いんねぃ。 (羽生の連中は、ずいぶんと若いね。) |
でこすけ | 名詞 | ばか者・愚か者 | (怒って)この、でこすけやろうめ! (この、愚か者が。) |
てろんてろん | 形容詞 | どろどろ ぐちゃぐちゃ | 道がてろんてろんで車がはまっちゃった。 (道がぐちゃぐちゃで自動車がスタックした。) |
でんげる | 動詞 | 転倒する | 「つっぺる」は、スリップ系による転倒。 「でんげる」は、ジャンプ系(?)の激しい転倒。 飲んでけっ躓いて、でんげっちゃった。 (酔って躓き(大きく)転倒した。) |
でんぼ | 名詞 | 嘘 | おめぇでんぼっことばっか言ってんじゃねぇよ。 (あなたウソばっかり言っててはいけません。) |
てい | 名詞 | 連中 | 羽生のていは、えら若いんねぃ。 (羽生の連中は、ずいぶんと若いね。) |
〜ってんで | *** | 〜(という)訳で 理由で | TVに映るってんで着替えてきた。 |
なっから | 副詞 | かなり | なっからよいじゃねぇ話だで。 (かなり大変な話ですね。) |
なす | 動詞 | 返す・返却する | このビデオ、早くなしやっせ。 (このビデオ、早く返してきなさい。) |
なっぱふく | 名詞 | (農)作業着 | 農作業などのとき着用する作業着。菜っ葉から転じてか? |
なびる | 動詞 | 擦り付ける | そんなに糊をなびんじぇねぇよ。(そんなに糊を擦り付けてはいけません。) |
なんでなんで | 感嘆詞 | どういたしまして | えらわりいでぇ(すいません) なんでなんで(どういたしまして) |
にほんぼう | 形容詞? | *** | 梯子をはずされる(はずされた)状態。 梯子の横木をはずすと「2本の棒」となる所から。 そんじゃ奴はにほんぼうだで。 (それでは彼は梯子をはずされた状態だ。) |
ぬくとい | 形容詞 | 暖かい・温かい | あれ、このまんじゅう、まだぬくといで。 (あれ、この饅頭、まだ温かい。) |
ぬくとぼっこ | 名詞 | ひなたぼっこ、日光浴 | エステや日焼けサロンって感じではなく、寒い季節に自宅等の縁側で体験されるもの |
のば | 名詞・動詞 | @野放し、放飼い(にする) A(@から転じて)友人同僚等を放っておくこと。また放置された様 | 「ヤツはいつもそうなんだから、いいよのばで(ほっとけ、やらしとけ俺らは知らん)」 |
のまわり | 名詞 | (田畑の)見回り | ちょっとのまわりいってっから(ちょっと田畑の見回りに行ってきます) |
のめっちょ | 形容詞 | (触ると痛いほど)とんがった | のめっちょな所を手でおっぺしたら、なっから痛いんじゃねん。 (突起箇所を手でおしたらかなり痛いんじゃない?) |
はらくちぃ | *** | 満腹である (これ以上食べられないの意) | もういいよう。はらくちぃ。 (もう満腹なのでこれ以上いりません。) |
ひっぱり | 名詞 | 親戚 | やつがちは、○○のひっぱりだかんな。 (彼の家は○○さんと親戚ですから。) |
ひっぺがす | 動詞 | はがす・脱がす | 古いポスターひっぺがしてきた。 (古いポスターはがしてきた。) |
ぶっくらす | 動詞 | 殴る | あんまし馬鹿こいてるとぶっくらされっぞ! (あまりに馬鹿なことしてると殴られるよ) |
ふっつぁぶく | 動詞 | (紙などを)破く | テスト用紙ふっつぁぶいちゃったん? (テスト用紙、破っちゃったの?) |
ふんずびる | 動詞 | 踏む・踏み潰す | かぁー、犬のクソふんずびっちゃた。 (あ、犬のふんを踏みつけてしまった。) |
(〜)べー | 副詞?助詞? | 〜ばかり 〜だらけ | キヤッセ行ったら人べー多くって。 (キヤッセいったら人ばかり多くって。) |
ぺそら | 形容動詞 | 完全に・あっという間に | いがまんじゅう3個ぺそら平らげちゃった。 (「いがまんじゅう3個」をあっという間に完全に、平らげてしまった。) |
ぼっこす | 動詞 | 壊す | この建てもん、だいぶくたびれてるからぼっこすべ。 (この建築物は傷んでいるので壊しましょう。) |
ほう | 感嘆詞? | ほら | それ取ってくんな(それを取ってください)ほう!(ほら) ほう、こっちこう!(ほら、こっちに来なさい) |
ぼっとかすっと | 疑問詞 | もしかすると | ぼっとかすっと、そうかもなぁ。 |
めど | 名詞 | 穴 | はなめどべーほってんじゃねぇよ。 (鼻の穴ばかりほってるんじゃありませんよ)。 |
めんちょ | 名詞 | (顔にできた)おでき | あれ、○○んち、めんちょできてる。 (あれ、○○君顔におできがある。) |
〜やっせ | 助動詞? | 〜しよう、〜しなさい | こっちきやっせ(こちらに来なさい) 食べやっせ、ほう(食べなさい、ほら) |
やまいわい | 名詞 | 旅から帰っての宴会 | 団体で旅行に行った場合、羽生では数日後、その旅行に行ったメンバーで宴会を開く。やまいわいやっから。 |
やんばいっす | ?? | 日常の挨拶 | 「良い塩梅ですね」が転じて「ぃやんばいっす」となった? 朝・昼・晩いつでも使える便利な挨拶。 |
らって | 形容詞 | 雑然としている様 | うぉさっうぉさっしてて、らってだよう。 (右往左往してて雑然としている) |
わかいし | 名詞 | 若者 | えらいいわかいしだで (たいそう立派な若者ですね) |
わっきゃねぇ | 形容詞・形容動詞 | 簡単、容易である | そんなこと朝飯前わっきゃねぇよ。 (そのことは簡単・容易に実施できる) |
わーりんねぃ | 感嘆詞 | 日常の挨拶 | (良くしてもらって)わーりんねぃ すいません(どうもありがとう) |