羽生総合病院の移転問題につきましては、3月24日開催の全員協議会において徳州会本部役員および羽生総合病院松本院長等と私との協議内容についてご報告させていただきました。
その後の経過について本日ご報告をさせていただきます。
徳州会本部におきましては、3月23日の協議後、新病院の移転場所について、1か月程度を目安に、市内での建設を前提として、前向きにご検討いただいたところではありますが、数か月を経過してもなかなか結論を見いだせない状況でございました。
そのような状況下において、先月6月19日開催の埼玉医療生活協同組合・通常総代会に来賓として出席させていただきましたが、総代会終了後、松本院長および滝沢事務長より、お話したいことがあるとのことで3人で話し合いの場が急きょ設営されることとなりました。
その席で、松本院長より、新病院の建設場所として、現在イオンモール羽生で使用している建物西側の駐車場を候補地として考えている。イオンモールへも関連子会社を通じ、打診した結果、イオン側でも関心を示しており、悪い話ではないと受け止めている。病院立地にあたって市の協力をいただきたいとのお話でありました。
私といたしましてもあまりにも突然の申し出でありましたので、その場でのご返答は差し控えさせていただきました。
翌日、担当職員を呼び、松本院長からの申し出内容を報告すると伴に、病院側の真意と詳細な状況を確認するよう指示いたしました。
早速、市担当者が羽生総合病院の滝沢事務長とお会いし、詳細を確認させていただきました。
内容につきましては、病院長は、以前より市内の神戸地区を希望しておりましたが、法的に立地は困難だとの判断から、神戸地区に変わる候補地として、イオン西側の駐車場を提示されたとのことであります。この場所は、県企業局からイオンモールが事業用定期借地によりお借りしている土地であり、農振の除外や農地転用が不要であること、又地上げの必要もなく、病院としては、早期に病院建設が可能であると考えていることから、移転候補地として挙がったものであり、イオン子会社の開発担当に打診したところ、病院建設にイオン側も興味をもっているとのことでありました。
市といたしましては、下川崎産業団地は、産業団地として造成したものであり、本来病院は建てられないこと。また、市の地区計画により法的にも病院建設は認められないことをご説明申し上げました。
羽生総合病院においても、県の企業局に間接的に打診しており、病院立地はできないと返答されているとのことでありました。
しかしながら、病院より市からも県企業局に確認していただけないかとの依頼があったことから、市からも県企業局に出向き、ご相談をさせていただきました。
企業局の見解は、現在、企業局とイオンとにおいて事業用定期借地契約が取り交わされており、契約では基本的にイオンから第三者への転貸しは認められないこと。病院の建設は法的に認められないことから病院建設はあり得ないとのお話でありました。
イオンモールへも、今回の件についての照会を市から行ったところ、羽生総合病院からの申し入れ等の話は特に聞いておらず、イオンとしても病院へお貸しすることは考えられないとのことでありました。
以上の内容について、市担当者から羽生総合病院へ去る6月27日にご返答させていただいたところであります。
その後、羽生総合病院より、私と松本院長との面会の申し入れがございました。
面会の内容について、事前に担当者より伺ったところ
市への協力要請を行いたいとのことで、1点目として、下川崎産業団地内のイオンモールの駐車場に病院が立地できるよう知事あてに市長と病院長の連名で企業局経由で嘆願書を提出したいこと。
2点目として、イオンモールに対して、病院の立地を受け入れていただくよう同じく市長と病院長の連名で要請書を出したい。との内容でありました。
しかしながら、これらの要請に対し、私は次の様な理由から協力はできないと判断させていただきました。
1点目につきましては、企業局といたしましても、下川崎産業団地の造成趣旨等から病院の立地はあり得ないことと考えており、市といたしましても当該区域は、企業局の意向および県の指導を踏まえ、市で地区計画を設定し、病院の立地はできない地区となっていることから、病院立地の嘆願書を提出することは制度上の矛盾を生じること。
2点目のイオンモールに対しても、イオンモール自体が病院立地の考えはないこと、西側駐車場用地には当初から店舗の増床計画があること、現在においても時として駐車場不足を生じる場合もあることから、駐車場の確保はイオンとしても必要であると考えていることなどから、イオンに対する要請もできないと判断したものであります。
このようなことから、病院長との面会については、お会いしても病院の意に沿うご返事はできないため、事前に面会をご遠慮申し上げたところであります。
以上、羽生総合病院の移転問題についての状況報告をさせていただきました。
私といたしましては、今後も病院に対し、協力あるいは支援ができるものにつきましては、羽生市民の安全安心のため全力を傾注して参りたいと考えておりますので、議員皆様のご理解、ご支援をいただきたくお願い申し上げます。